Wednesday, April 01, 2009

「人工衛星」でも緊張する東アジア

▼自民党の菅義偉選対副委員長は28日、「米国から北朝鮮のミサイルの情報をもらっている。日米安全保障条約の信頼感の下で国民の生命と財産を守るのは当たり前だ。小沢氏でこの国を守れるのか」と語った。小沢民主党代表が在日米軍削減に言及したことについて語ったものだ。
▼北朝鮮が通告してきた計画によれば4月4〜8日に衛星を発射するという。日本ではミサイル落下に備え政府が決定した「破壊措置命令」を受け、海上自衛隊のイージス艦3隻が28日、出港。うち2隻は海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を装備。陸上でも自衛隊が地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を陸上自衛隊秋田(秋田市)、岩手(岩手県滝沢村)両駐屯地に配備した。
▼米国は、キーティング米太平洋軍司令官が24日、「米国土と(日韓)同盟国を守る用意がある」と改めて表明、第7艦隊のイージス艦5隻を展開している。韓国初のイージス艦「世宗(セジョン)大王」も含め、少なくとも9隻のイージス艦が日本海を中心に警戒にあたる。
▼まるで準戦時下かのような様相だが、ミサイル防衛(MD)を巡っては政府高官が23日、「鉄砲を撃ってきたのを鉄砲で撃っても当たらない。(ミサイルを)撃ってきたら当たるわけがない」と語った。
▼専守防衛を旨とする平和国家日本としては、ミサイル防衛は国民に受け入れやすいのかも知れない。だがその有効性は疑問とされている上に、膨大な予算が必要といわれる。軍需産業が恒久的に儲かり続けるとされた米戦略防衛構想(通称スターウォーズ計画)の再来と訝しがる声もある。
▼北朝鮮の核問題をめぐる6者協議の日米韓首席代表が27日、ワシントンで協議し、北朝鮮が人工衛星と主張しても、ミサイルの発射だとして国連安全保障理事会決議の違反とみなすと再確認した。
▼スターウォーズ計画は冷戦終結と共に消滅した。北朝鮮問題が外交解決すればミサイル防衛計画は後退するのか、それとも在日米軍削減が日程に登るのだろうか。

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