Saturday, March 14, 2009

「国策捜査」か「検察ファッショ」か

▼西松建設の違法献金問題で、民主党の小沢代表の事務所が東京地検特捜部に家宅捜査され、公設第1秘書の大久保隆規が逮捕された。政治資金規正法の厳格化を進め、自ら透明化してきた小沢代表だっただけに、皮肉である。共同通信社が7、8両日に実施した全国電話世論調査で、「小沢氏は代表を辞めた方がよい」との回答が61・1%と続投支持の28・9%を上回った。
▼だが、小沢代表が言う通り、この種の捜査では今まで強制捜査や逮捕が行なわれたことは一度もない。献金者の違法・脱法行為があった場合、献金を返し報告書の記載を修正すれば済んでいた。小沢は議員辞職しろとの声が自民党から出ないのは、そんなことになれば大半の自民党員が辞めなくてはならなくなるからだ。
▼西松の偽装献金と見られる4億8千万円のうち小沢氏へは2億円とされるが、残りの2億8万円は森喜朗、二階俊博、尾身幸次、藤井孝男らほとんどが自民党の議員への献金だ。検察は「時効が近かった」「額が大きかった」というが、それで納得する人はいまい。半年以内には総理大臣になるのはほぼ確実だった小沢代表に対し何故この時期か。「国策捜査」(民主党幹部)、「検察ファッショ」(亀井静香国民新党代表)という声が聞かれたのは無理もない。
▼漆間巌官房副長官(元警察庁長官)が「事件が自民党議員に波及しない」と述べたことが火に油を注いだ。自民と検察が結託した小沢潰しという疑惑だ。検察は世論の動きに反応してか、二階経済産業相ら自民党議員にも捜査を進め始めた。
▼小沢代表自らも語っているが、企業献金だという認識があったなら合法的に受け取れる政党支部を使えばいい話である。そもそも贈収賄を成立させるような権限が小沢氏とはいえ野党の政治家にあるのか。政治資金規正法違反しか問えないのであれば「検察の敗北」と批判にさらされるのは検察は分かっているはずだ。やはり誰かが検察をそそのかしたのだろうか。

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