Sunday, March 01, 2009

米国は日本の政権交代を織り込み済み?

▼クリントン国務長官は就任後初の訪問国に日本を選び、訪日した。このことを日本政府・外務省は「オバマ政権の日米同盟重視の姿勢が明らかになった」とした。また、オバマ政権は発足後初の外国要人として麻生首相をホワイトハウスに招いた。これも日米同盟重視の姿勢ということになるのだろう。
▼しかし、23日夜にワシントン郊外のアンドルーズ空軍基地に到着した首相を出迎えたのはボルーダ国務省儀典長代行だった。24日は大統領の議会演説とも重なったこともあるだろうが、両首脳による会談後の共同記者会見なども見送られ、大統領主催の会食もなかった。
▼クリントン長官は訪日中、小沢民主党代表に会ったが、これは長官が希望していたと言われている。国務長官が野党党首と会談するのは極めて珍しいことだ。
▼日米首脳会談について与党は、世界的経済危機への対応で合意したことなどを歓迎した。細田幹事長は「大変意義があった」と評価、北朝鮮の拉致、核、ミサイル問題の包括的解決に関し「大統領も十分な認識を持っている」と強調した。
▼だが、民主党の小沢代表は「国民の信頼を失っている首相に、有効な外交交渉ができるわけがない」と断言。鳩山幹事長は「外国の首相として最も早く招かれたことに喜びすぎると、米国追随外交が始まる」と述べた。
▼経済危機を乗り切るために米国は大量の国債を発行せざるを得ず、それを引き受けてくれるのは日本と中国しかない。これに限らず日本との協力体制は不可欠には違いないが、麻生政権を支えているというイメージを避けているのは明白だ。日本の政権交代を織り込んで対応していると見て間違いない。
▼石破農水相すら「早く民意を問うべきだ」と述べている。支持率9・7%(日本テレビ調査)まで記録した麻生政権はいつまで続くのか。

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