▼福島第一原発の事故の影響で、政府が一部の福島県産野菜について「摂取制限」の指示を出した翌日の24日朝、福島県須賀川市で野菜農家の男性(64)が自宅で首をつり命を絶った。
▼男性は農業高校を卒業後、有機栽培にこだわり米やキュウリなどを作ってきた。8年ほど前から始めたキャベツはほかの農家から栽培方法を尋ねられるほど評判が高く、地元の小中学校の学校給食にも使われていた。
▼「野菜も米も人の口に入るものなので、農薬はなるべく使いたくない」というのが口癖だったという。地震で母屋や納屋が壊れたが、畑の約7500株のキャベツは無事で、出荷直前だった。
▼次男(35)の話では、福島第一原発が爆発したニュースを見た時、「最悪の時代に生まれた。日本の農業はおしまいだ」とつぶやいていたという。次男は「原発のせいで殺された。地震だけなら死ぬことはなかった」と憤る。
▼深刻な炉心溶融に至った1979年のペンシルベニア州スリーマイルアイランド原発事故から32年に当たる28日早朝、地元住民や反原発グループなど約30人が同原発前で集会を開き、米国の原発停止を求めるとともに福島の原発事故で苦難のなかにある人々のために祈りをささげた。(CAPITAL4月2日号より転載)
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