▼民主党代表選(14日投開票)は小沢一郎前幹事長が名乗りを上げ、再選を目指す菅直人首相との一騎打ちとなった。これで1年に3人も総理が変わるようなことになっては国際社会で信頼をなくすという見方もあるが、歴史的政権交代後の混乱は想定内だろう。
▼先の参院選で敗北し、衆参ねじれの菅政権では、すぐに国会運営が行き詰まるのは目に見えていた。「豪腕」小沢氏に期待する向きは多いが、「政治と金」疑惑で検察審査会の審査待ちではだめだという「反小沢」の声も強い。
▼振り返れば「政治とカネ」というのは自民党時代より、政敵潰しなど、政策不在で政局しかない状況において使われてきた。米国の「ネガティブキャンペーン」による世論誘導とほぼ同じだ。
▼一般市民で構成される検察審査会の意義はあるだろうが、検察特捜部の1年にも及ぶしらみつぶしの捜査でも小沢氏を起訴に持ち込めなかった。この事実を重く受け止めるべきではないのか。
▼ここに来て、相変わらず「政治とカネ」で批判するのは政策不在の証拠だろう。小沢氏はあくまで「国民の生活が第一」とした昨年の民主党マニュフェスト履行にこだわっており、菅首相は財源不足で履行は無理と消費税論議をしたがっている。
▼とにもかくにも20年あまりにわたり日本の政治は小沢氏を中心に回ってきた。昨年、検察の捜査がなければ小沢政権だった日本。今度はさて、どうなるか。 (た)
No comments:
Post a Comment