▼8月15日、65年目の終戦の日を迎える。大戦での日本兵の死者は200万人にのぼり、その多くは中国、東南アジア、南アジア諸島で戦死しているが、米兵が「お土産」「記念品」として持ち帰った日本兵の遺品が米国内に10万点以上あるといわれる。
▼今でも遺産を処分するステートセールやミリタリー・ショーなどで軍刀、千人針、武器類、日章旗などが売られている。ネットのオークションサイト「イーベイ」でも手帳や日記、写真など含めさまざまなものが売られている。
▼最近では、戦争に行った元米兵も高齢あるいは故人となり、日系新聞社や在米領事館などに遺族に返したいという問い合わせが時々あり、無事に戻ったことが日本の地元のニュースを飾ることも珍しくない。
▼オハイオ州トレドに住む、医師の加治安彦さんは過去30年以上にわたり、ミリタリー・ショーなどで日本兵の遺品を自費で買い集め、遺族へ返してきた。収集点数は300を超え、50点ほどが遺族のもとに帰ったという。
▼遺品は戦利品として金銭目的もあったらしいが、驚くべきは戦没者の頭蓋骨を持ち帰った人々がいることだ。最近では2003年にコロラドで、2005年にはメイン州ホールデンで見つかっている。
▼これらは「頭蓋骨トロフィー」として表面には当時の署名や書き込みがあった。メイン州のものは入手したアメリカ人が日本に帰したいとボストン総領事館にあずけている。
▼昨年にはカリフォルニア大学バークレー校の人類博物館に頭蓋骨など数点が保管されていることが分かった。海軍医が1974年に寄贈したもので、収納した箱には「サイパン」「自決を遂げた日本人」と書かれていた。
▼日米の考え方の違いもあるが、遺骨である。米国には日本兵の遺骨が人知れずさまよっているのである。
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