▼参院選が終わった。昨年の政権交代から10か月あまり、与党民主党に対する国民の審判となる選挙だと思われた。
▼民主党は当選44議席と改選議席を10議席も減らした。国民新党と合わせた与党の議席は非改選を含め過半数を割り込んだ。一方自民は51議席を獲得し、13議席増やした。ただし比例と選挙区合わせた総得票数では民主が約2276万票に対し、自民は約1950万票と300万票以上の差がある。
▼もちろん民主は二人区に二人擁立など立候補者数が多いからだが、国民の多くが民主党にノーをつきつけたとまでは言えない。
▼不思議なことがある。「政治と金」と普天間基地移設問題で鳩山首相と小沢幹事長が辞任した後の参院選だったが、この二つは選挙の争点にならなかった。あれほど大騒ぎしたにも関わらず、一体どうしたのか?
▼菅首相が消費税増税に触れたことで、そうした問題は脇に追いやられた格好だ。消費税上げが焦点になるかと思われた。民主党が後退したのは、消費税増税を言い出したからだという分析も多い。みんなの党の躍進は消費税上げに反対だったことが大きいとも。だが増税を唱える自民党は議席を増やした。
▼政治と金、普天間問題の他に、「郵政改革法案」も忘れてはならない。衆議院はすでに通過し参議院審議に回っていた。
▼日本は現在、岐路に立っていると言える中、安定した強力な政権ができない状態だ。不安定な暗中模索がしばらく続くのだろうか。(CAPITAL#111,2010年7月17日号より)
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