▼政治上の危機分析を専門とするコンサルティング会社「ユーラシア・グループ」(本部・ニューヨーク)が、最も影響力を持つ世界の指導者10人を発表、1位は中国の温家宝首相、2位はオバマ米大統領で、民主党の小沢幹事長が3位に入った。
▼日本の首相は小沢氏のはずだった。昨年、小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(48)が政治資金規正法違反で逮捕されていなければ、である。
▼1月13日、大久保秘書の第二回公判が開かれ、西松建設の元幹部が検察の主張を否定する証言を連発、収賄どころか大久保秘書は無罪の可能性が高いという。微罪、いや「冤罪」もどきで日本の政治が翻弄されたということなのか?
▼ところが2日後の15日、検察は元秘書石川知裕衆議院議員を政治資金規正法の虚偽記載容疑で逮捕する。 これまで「虚偽記載」は修正で許されてきたのに、なぜ現職国会議員逮捕までしたのか明確な説明はない。
▼検察対小沢の権力闘争と見る向きは多い。小沢周辺は「検事総長を国会同意人事にする」「民主主義的な統制下に置く」と主張、また取り調べの可視化も検討されている。昨年末、特捜部検事を含む法務官僚が集まった宴会では、「小沢許さん」の大合唱だったという。
▼公務員の守秘義務違法(国家公務員法第100条)の疑いのある「検察リーク」を連日マスコミは垂れ流し、負のイメージで小沢幹事長が追いつめられるという構図になった。18日前後の大手新聞社の世論調査はどれも、小沢氏は幹事長を辞任すべきだが7割を占めた。
▼小沢氏失脚か特捜部廃止かのような全面対決の様相を示し、法相ないし首相による指揮権発動も取り沙汰される中、さすがに検察のあまりに恣意的な行き過ぎた捜査に疑問視する声が多くなってきた。例えば、御厨貴・東大教授は「いまの小沢一郎という人物を追いつめることで、検察はこの国をどうしようとしているのか」と疑問を呈した。
▼2月4日、検察は小沢幹事長について「有罪判決を得る証拠がなかった」不起訴処分とすると発表した。捜査云々ではなく、事実上政治問題化している以上、その「落としどころ」ではないのか? 検察の仕事とは何なのだろうか。
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