▼今年流行した言葉を決める「ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)がこのほど発表され、「政権交代」(鳩山由紀夫首相)が年間大賞に決定した。
▼まったく妥当なところだろう。ベスト10はこども店長(子役、加藤清史郎)▽新型インフルエンザ(厚生労働省医系技官、木村盛世)▽草食男子(タレントの小池徹平、コラムニストの深沢真紀)▽脱官僚(みんなの党、渡辺喜美代表)▽ファストファッション(タレント、益若つばさ)▽ぼやき(前楽天監督の野村克也)▽歴女(レキジョ)となった。(50音順、敬称略)
▼「脱官僚」など政治絡みのものが多いのが今年の特徴だろう。11月後半に行われた「事業仕分け」は急遽入った格好で、作家の藤本義一さんやタレントのやくみつるさんら5人の選考委員は国民の関心の高さを考慮したに違いない。鳩山首相も「政権交代よりも事業仕分けだね」と述べた。なお、首相が提唱する「友愛」については、(96年に)「取っているので、もう結構です」と答えている。
▼事業仕分けは、過去最高の95兆円超に膨らんだ2010年度概算要求の無駄を洗い出す延べ9日間の作業。「『無駄』の基準がよく分からない。ルールなきショー」(言論NPOの工藤泰志代表)などの声もあり、「科学技術予算を減らすのは論外」(野依良治)などノーベル賞受賞者らから強い批判を浴びたりもした。一般傍聴者は初日の11日の400人から日を追うごとに増加し、終盤は初日の4倍以上の1745人が詰めかけた。
▼共同通信の集計では「廃止」「凍結」「半減」などによる圧縮額は約7500億円。国庫返納を求めた独立行政法人の基金など約1兆400億円の「埋蔵金」発掘と合わせると約1兆8000億円を捻出できる計算になる。共同通信社が11月28、29両日に行った全国電話世論調査によると、事業仕分けについて「評価する」が77・3%だった。
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