Wednesday, November 18, 2009

オバマ大統領が初訪日

▼オバマ米大統領が初訪日した。訪日を前に、12日付英紙フィナンシャル・タイムズが、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題をめぐる米国の強圧的態度を批判した。ゲーツ米国防長官が日米合意の履行を迫った件に触れ、ブッシュ前政権が約束したミサイル防衛(MD)施設の東欧配備計画をオバマ政権が撤回した例を上げて、米国のご都合主義を批判した。他国から見れば「政権交代したからには政策見直しは当然ある」ということである。
▼13日の東京で日米首脳会談後、大統領は、閣僚級の作業グループを設け、普天間移設問題を協議していくことを表明したが、米紙ニューヨーク・タイムズは、オバマ米大統領がこの問題をめぐり「一定の譲歩を示した」と報じた。
▼オバマ大統領が14日に皇居で天皇、皇后両陛下と面会した際、深々とお辞儀したことはご愛嬌だったが、外国の要人に頭を下げるのは「米国の大統領として不適切」とFOXテレビが報じるなど、保守系を中心に批判が相次いだ。大統領が「ぺこぺこと頭を下げた」と非難したサイトもあった。
▼作業グループ設置だけで「譲歩」だの、外交儀礼で「ぺこぺこ」だのとは、なにやらこれまでの日本の米国従属ぶりを物語るようである。
▼大統領は、14日に都内で行った演説で「米国は太平洋国家。この大洋と固く結び付いている」とし、アジア諸国との関係を強化していくと宣言。日本がアジア安定の「要」で、日米の「揺るぎなき同盟」がアジア関与の基本になるとの考えを示した。
▼大統領は2日間滞在しただけでアジア太平洋経済協力会議(APEC)に向かった。鳩山首相が提唱した「東アジア共同体」構想に対抗するかのように、米国はAPECに力を入れようとしている。「同盟関係」を維持しつつ、経済面では巨大なアジア市場の主導権争いが日米で始まっている。

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