Wednesday, September 02, 2009

ついに日本も新しいページがめくられた

▼ワシントン・ポスト紙は「政治的競争のない民主主義はない」と書いた。言うまでもなく今回の日本の総選挙についてだ。そうした意味で民主党の勝利を好意的に受け止めている。
▼日本は1955年から、細川内閣の263日間を除き、一貫して自民党政権だった。民主主義国家としては世界でも珍しい「一党独裁国」だったわけがついに崩れた。共同通信社が行った全国緊急電話世論調査で、新首相となる民主党の鳩山由紀夫代表に「期待する」と答えた人は71・1%だった。
▼それにしても、予想されていたとはいえ民主党が308議席を獲得するとは。自民党は選挙前の300議席から119議席に落ち込む歴史的惨敗であり、「二大政党制」は日本に根付かないのではとさえ思わせる結果だ。
▼日本国民は「弱体化した経済と高齢化社会」への対処を民主党に委ねたと解説したのはウォールストリート・ジャーナル。自民党長期政権による政・官・財の癒着は社会の活力を失わせるという弊害を生むようになった。選挙結果はそれへの国民の回答だ。
▼民主党は単独過半数を獲得したが、国民新党、社民党との3党連立は崩さず、9月16日に鳩山内閣が成立する。数にものを言わせた民主党の独走はひとまずなさそうだ。
▼焦っているのは米国だろう。民主党は日米地位協定の見直しや海上自衛隊によるインド洋での給油活動の停止を訴えており、鳩山代表が自公政権の対米姿勢を「従属的」と批判し、「対等な日米関係」を主張していることの意味を図りかねている。米国はゲーツ国防長官と次期防衛相との会談を10月中旬に東京で開く方向で調整を始めた。
▼なにせ始めての政権運営である。多少ぎくしゃくもするだろうが、新生日本の誕生としてまずはじっくりと見守りたい。

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