Monday, June 16, 2008

秋葉原・通り魔事件

▼日本で米国並みの無差別大量殺人事件が起きた。8日午後0時30分過ぎ、東京・秋葉原の歩行者天国で、男が通行人をトラックではねた後、ナイフで刺す無差別殺傷事件がおき、男性6人と女性1人が死亡、10人が負傷した。
▼米国では大量無差別殺人が断続的に起きているが、日本でまたしても起きた。2001年の8人の児童が殺害された大阪教育大付属池田小事件と同じ日であったのは偶然なのか? 9日付のワシントン・ポスト紙は「現場には血だまりが残り、まるで戦場のようだ」と報じる記事を掲載した。
▼犯人は静岡県裾野市の派遣社員加藤智大(ともひろ)容疑者(25)。職場での不満があったというが、殺すのは「誰でもよかった」と供述、薬物や精神疾患などはなく、計画的犯行であることが分かってきている。
▼それにしてもトラックで乗り付けたとはいえ、銃を使ったわけでもなく大人相手に何故17人もの死傷者を出したのか。駆け付けた警察官も刺されているが、警察はすぐに止められなかったのだろうか?
▼もっとも現場では、状況をのみ込めない人も多く、映画の撮影やゲームの安売りにでも客が殺到したのかと思った人も多数いたらしい。
▼犯人は警察官ともみあい、最後は拳銃をつきつけられ観念した。この間、わずか数分、東西約100メートル、南北約70メートルの中での出来事だった。
▼驚くべきは、犯行に使ったサバイバルナイフの高い殺傷力である。包丁ではこうはいかないはずだ。銃と同じように管理・規制が必要ではないか。
▼鳩山法相は「昨日も大事件があったが、人の命を奪うような人にはそれなりのものを負ってもらおう」と死刑制度の必要性を訴えたが、相次ぐ死刑執行でも殺人の抑止力にはなっていないことが、また分かっただけではないのか。
▼池田小事件事件では「早く死刑にしてくれ」と犯人の宅間守はうそぶき、望み通り早期に死刑になった。今回は世界に冠たる電気製品とアニメなど日本のポップカルチャーで知られるアキバで起きた。闇は深い。(武)

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