Sunday, June 01, 2008

四川大地震と東京

▼5月12日に中国を襲った四川大地震。中国国務院(政府)は27日時点で、地震の死者は6万7183人、負傷者36万1822人、行方不明2万790人と発表、1976年に約24万2千人が死亡した唐山地震以来、最悪の地震となった。
▼依然、余震も続いており、地震で破損した千を超す一般ダムの決壊も懸念されている。「唐家山・土砂ダム」では全面決壊の恐れが生じた場合、下流の130万人を避難させることを地元当局が決めたという。
▼今回、中国のメディアはチベット争乱の時のような規制はなく、現地からの報道を次々に流した。中国政府の対応も早く、発生当日夜には温家宝首相が現地入りし「地震災害対策本部」を設置している。国家の威信をかけた聖火リレーも一時中止した。
▼中国政府によると、国内外からの支援金、支援物資は26日までに308億7600万元(約4600億円)相当に達したという。▼残念なことは日本の国際緊急救助隊が現地入りしたのは、地震発生から5日目だったこと。生存率が72時間を超えると極端に下がることはよく知られている。
▼人災ではないかと指摘されているのが学校である。役人へのわいろが横行し「手抜き工事」の粗末な作りの学校校舎が相次いで崩壊、ちょうど授業中だっため、多くの生徒児童の生命が奪われた。
▼核施設の被害も心配だ。中国環境保護省は、四川大地震で計50個の放射性物質に安全上の問題が生じ、35個は回収したが、まだ15個が瓦礫に埋まったままと報告した。ただ、安全な状態で放射能漏れは起きていないと強調した。
▼学校などの耐震問題や核施設の懸念は日本にとっても無関係な話ではない。東京・横浜は、ミュンヘン再保険会社(ドイツ)による災害リスク指数は710で、2位のサンフランシスコの167、3位ロスの100から見ても群を抜く世界一の危険都市なのである。

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