▼来年行われる米大統領選の候補者は全国的な知名度からいって共和党はジュリアーニ元ニューヨーク市長、民主党はヒラリー・クリントン上院議員でほぼ決まりだろうと思われていたのが、どうも様子が違っている。
▼年明け早々、最初に次期大統領選の党員集会が開かれるアイオワ州の地元紙が12月2日伝えた同州の最新世論調査によれば、共和党はハッカビー前アーカンソー州知事、民主党はオバマ上院議員がそれぞれトップに立った。
▼11月28日にフロリダで行われた共和党候補による討論会では、ロムニー前マサチューセッツ州知事がジュリアーニ氏の中絶や同性愛の権利容認に加え、移民政策を攻撃。特にジュリアーニ氏が市長時代に不法移民の子供の教育を認めたことなどを非難し、「不法移民には、法律を守る市民以上の特権を与えてはならない」と訴えた。
▼ところが、これに異論を唱えたのがハッカビー前アーカンソー州知事だ。「親のしたことで子供を罰するような国」にすべきではないと言い切り、注目を浴びた。
▼アイオワ州でトップだったロムニー氏は最近の調査で牧師出身のハッカビー氏に逆転された。ロムニー氏が信仰するモルモン教を「カルト宗教の一種」と嫌うキリスト教右派の支持がハッカビー氏に流れたためとみられる。
▼泡沫候補だと思われてきたハッカビー氏が躍進してきた。オバマ氏もここまで人気が高まるとは思われていなかった。
▼ビル・クリントン元大統領も出馬当初は元アーカンソー州という小さい州の知事に過ぎず、あまり注目されなかった。米大統領選は予断を許さないが、それが民主主義の証なのかも知れない。
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