▼中間選挙キャンペーンは民主党優位のうちに進んでいるが、民主党の応援演説で各陣営から引っ張りだこなのが黒人政治家、バラク・オバマ上院議員(イリノイ州選出)(45)だ。
▼ハーバード大ロースクール出身の人権派弁護士で、〇四年の初当選以来、「将来の大統領候補」と目されてきたが、本人は今年初めに大統領選出馬を全面否定していた。しかし二十二日、〇八年の大統領選への出馬の可能性を検討すると表明したのだ。
▼男女平等を標榜し、黒人差別問題にも積極的に取り組んできた米国だが、いまだかつて女性と黒人は大統領になったことがない。
▼過去に黒人大統領誕生の動きがなかったわけではない。コリン・パウエル氏である。黒人初の統合参謀本部議長として第一次湾岸戦争の英雄となったパウエル氏は96年、共和党からの大統領出馬が取り沙汰され、立候補すれば当選は確実と言われた。
▼だが、「黒人が大統領になったら暗殺される」とする妻(白人)の反対のため出馬せず。第一期ブッシュ政権で初の黒人国務長官になった。今では、米国大統領が誰だろうとアルカイダなどの暗殺の対象である。
▼次回大統領選をめぐっては、ヒラリー・クリントン上院議員の出馬が有力で、圧倒的な資金力と知名度から民主党の指名獲得の可能性が高いとされている。ヒラリーが大統領になれば、初の女性大統領誕生だ。
▼一方、共和党には国民的人気の高い現国務長官のライス氏がいる。彼女が大統領になれば黒人でかつ女性という画期的な大統領が誕生する。
▼初の女性大統領や黒人大統領はいつ誕生するのだろう。そろそろ新しいページが開かれてもいいのではないか。(CAPITAL第22号より転載)
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