Sunday, May 02, 2010

「核密約」と普天間基地移転問題

▼ライシャワー元駐日米大使(在任1961?66年)の特別補佐官だったジョージ・パッカード氏とパッカード氏と話す機会があった。日本でいわゆる「核密約」が問題となっているが、氏は外交専門誌フォーリン・アフェアーズ3・4月号で、米軍が返還前の沖縄にあった核兵器を1966年、移動させ岩国基地沿岸で少なくとも3カ月間核兵器を保管していたと述べている。
▼氏は、これ以外の保管の事実は知らないとしつつ、核兵器を積んだ船が日本に寄港していたのは疑いようがないと示唆。その上で、「日本に核は必要だったと思う」と語った。当時冷戦はきわめて危険なものであり、ソ連や中国の脅威から日本を守る必要があった。「核密約は強く望まれたものではなかったが、当時の東アジアに必要だが日本が反核である中で、ベストの解決法であった」との認識を示した。
▼では普天間基地問題についてはどうか。ゲーツ国防長官が発足したばかりの鳩山政権に約束履行を迫ったのは「ばかげている」と一蹴。しかしそれにびっくりした鳩山首相がオバマ大統領に「トラスト・ミー」「5月までになんとかする」などと「言わなくてもいいことを言って、日米の信頼関係を損なった」と批判。冷戦の時代から大きく東アジアは変化しており、「開かれた場であらゆる可能性と選択肢を検討すべき」と語った。
▼サイパン島など14の島からなる北マリアナ連邦の上院議会(9議員)が16日、国防総省と日本国政府に対し、米軍普天間飛行場の移設先の最適地として北マリアナを検討するよう求める誘致決議を全会一致で可 決した。米軍の準機関紙である「スター・アンド・ストライプス紙」は21日付で、これに好意的な内容の記事を掲載している。こういった選択肢をほとんどの日本のメディアが取り上げないのは何故だろうか。

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