▼オバマ米大統領が初訪日した。訪日を前に、12日付英紙フィナンシャル・タイムズが、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題をめぐる米国の強圧的態度を批判した。ゲーツ米国防長官が日米合意の履行を迫った件に触れ、ブッシュ前政権が約束したミサイル防衛(MD)施設の東欧配備計画をオバマ政権が撤回した例を上げて、米国のご都合主義を批判した。他国から見れば「政権交代したからには政策見直しは当然ある」ということである。
▼13日の東京で日米首脳会談後、大統領は、閣僚級の作業グループを設け、普天間移設問題を協議していくことを表明したが、米紙ニューヨーク・タイムズは、オバマ米大統領がこの問題をめぐり「一定の譲歩を示した」と報じた。
▼オバマ大統領が14日に皇居で天皇、皇后両陛下と面会した際、深々とお辞儀したことはご愛嬌だったが、外国の要人に頭を下げるのは「米国の大統領として不適切」とFOXテレビが報じるなど、保守系を中心に批判が相次いだ。大統領が「ぺこぺこと頭を下げた」と非難したサイトもあった。
▼作業グループ設置だけで「譲歩」だの、外交儀礼で「ぺこぺこ」だのとは、なにやらこれまでの日本の米国従属ぶりを物語るようである。
▼大統領は、14日に都内で行った演説で「米国は太平洋国家。この大洋と固く結び付いている」とし、アジア諸国との関係を強化していくと宣言。日本がアジア安定の「要」で、日米の「揺るぎなき同盟」がアジア関与の基本になるとの考えを示した。
▼大統領は2日間滞在しただけでアジア太平洋経済協力会議(APEC)に向かった。鳩山首相が提唱した「東アジア共同体」構想に対抗するかのように、米国はAPECに力を入れようとしている。「同盟関係」を維持しつつ、経済面では巨大なアジア市場の主導権争いが日米で始まっている。
Wednesday, November 18, 2009
Sunday, November 08, 2009
普天間基地問題は先送り
▼沖縄県宜野湾市の中心にある在日米海兵隊普天間基地は2800mの滑走路を持ち市面積の25%を占める。攻撃ヘリなど100機以上が配備され、離着陸訓練により騒音被害で学校の授業中断は日常茶飯事である。かねてより県は返還を強く求めて来た。
▼沖縄は面積で日本の0・6%だが、在日米軍基地の75%が集中。うち75%が海兵隊の基地で、師団規模での駐留は米本国以外では日本のみである。
▼1995年、海兵隊の兵士3名が12歳の女子小学生を拉致、集団レイプする事件が起き、県民の怒りが爆発。日米で在沖縄米軍を全面的に見直すことになり96年、代替施設を条件に普天間基地の全面返還が決まった。名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部が移設先とされたが、名護市の住民投票で反対が過半数を占めるなど反対運動が続いている。当地はジュゴンの北限生息地で環境破壊との声がある。
▼県外、国外移設の方針を主張してきた民主党が政権を取ったため、ゲーツ米国防長官が10月に来日し「普天間の代替施設なしに米海兵隊のグアム移転はない」「グアム移転なしに、沖縄で兵員の縮小と土地の返還もない」とあくまで日米合意の履行を要求。その後、岡田外相は米軍嘉手納基地との統合案を出したが、米国防総省のモレル報道官は「日本の防衛に必要なもの(軍事力)を提供できない」として実現可能性を重ねて否定。空軍戦闘機による騒音被害に苦しむ周辺自治体は「いかなる条件でも断固反対」(宮城篤実嘉手納町長)との姿勢だ。
▼10月31日と11月1日に沖縄県民を対象に行われた毎日新聞と琉球新報による世論調査では反対が67%、賛成20%で、鳩山首相は「県外か国外への移設を目指して米国と交渉すべきだ」が70%を占めた。
▼仲井沖縄県知事は「政府方針の早急な提示」を要求。だが、鳩山首相は2日、この問題について「(12日の)オバマ米大統領の来日までに決めなければならないとは思っていない」と述べ、先送りした。(た)
▼沖縄は面積で日本の0・6%だが、在日米軍基地の75%が集中。うち75%が海兵隊の基地で、師団規模での駐留は米本国以外では日本のみである。
▼1995年、海兵隊の兵士3名が12歳の女子小学生を拉致、集団レイプする事件が起き、県民の怒りが爆発。日米で在沖縄米軍を全面的に見直すことになり96年、代替施設を条件に普天間基地の全面返還が決まった。名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部が移設先とされたが、名護市の住民投票で反対が過半数を占めるなど反対運動が続いている。当地はジュゴンの北限生息地で環境破壊との声がある。
▼県外、国外移設の方針を主張してきた民主党が政権を取ったため、ゲーツ米国防長官が10月に来日し「普天間の代替施設なしに米海兵隊のグアム移転はない」「グアム移転なしに、沖縄で兵員の縮小と土地の返還もない」とあくまで日米合意の履行を要求。その後、岡田外相は米軍嘉手納基地との統合案を出したが、米国防総省のモレル報道官は「日本の防衛に必要なもの(軍事力)を提供できない」として実現可能性を重ねて否定。空軍戦闘機による騒音被害に苦しむ周辺自治体は「いかなる条件でも断固反対」(宮城篤実嘉手納町長)との姿勢だ。
▼10月31日と11月1日に沖縄県民を対象に行われた毎日新聞と琉球新報による世論調査では反対が67%、賛成20%で、鳩山首相は「県外か国外への移設を目指して米国と交渉すべきだ」が70%を占めた。
▼仲井沖縄県知事は「政府方針の早急な提示」を要求。だが、鳩山首相は2日、この問題について「(12日の)オバマ米大統領の来日までに決めなければならないとは思っていない」と述べ、先送りした。(た)
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