▼オバマ大統領の医療保険改革が正念場を迎えている。米国にとり医療保険改革は「トルーマン大統領以来、歴代大統領が口にしながら実現できなかった」(オバマ大統領)悲願のテーマだ。
▼首都ワシントンで12日に行われた反オバマ集会には10万人(議会警察及び消防当局調べ)が集まったという。そのプラカードには「オバマニズムはコミュニズム」「社会主義はいらない」などと書かれていた。ほとんどが白人でいわゆる「大きな政府」に反対する人たちである。
▼オバマ政権の目玉である医療保険改革はいうまでもなく、全国民の15・4%に当たる4630万人が無保険(08年)という他の先進国では見られない状態を変えることにある。さらに、財務省の推計によれば向こう10年間で65歳未満の米国民のおよそ半分が無保険を経験することになるという。
▼ほとんどの先進国は公的医療保険制度を導入しているが、米国は高齢者対象のメディケア以外は自由診療である。このため、保険業界の寡占構造もあり負担医療額が高く、民間保険会社加入者ですら医療費が払えず破産する人が多い。低所得者向けにはメディケイドがあるが、これは財政赤字を膨らませる要因になっている。
▼公的医療保険制度を導入すると、役人が個人に対しどういう治療を受けさせるか決めることになるという批判があるが、現状こそ、民間保険会社が保険でカバーするしないをコントロールしているため、受けたい治療を断念することが多いのだ。
▼医療保険改革に伴う「増税反対」の声も根強いが、改革のために今後10年間で必要な約9千億ドルは、「イラクとアフガニスタンの戦費より少額」(オバマ大統領)なのである。
▼無保険状態の国民に保険を提供し医療費も抑制することが「究極の目標」だとオバマ大統領は強調、公的保険導入など政府の関与度については柔軟な姿勢を示し始め「社会主義色」を消そうとしている。
Sunday, September 20, 2009
Wednesday, September 02, 2009
ついに日本も新しいページがめくられた
▼ワシントン・ポスト紙は「政治的競争のない民主主義はない」と書いた。言うまでもなく今回の日本の総選挙についてだ。そうした意味で民主党の勝利を好意的に受け止めている。
▼日本は1955年から、細川内閣の263日間を除き、一貫して自民党政権だった。民主主義国家としては世界でも珍しい「一党独裁国」だったわけがついに崩れた。共同通信社が行った全国緊急電話世論調査で、新首相となる民主党の鳩山由紀夫代表に「期待する」と答えた人は71・1%だった。
▼それにしても、予想されていたとはいえ民主党が308議席を獲得するとは。自民党は選挙前の300議席から119議席に落ち込む歴史的惨敗であり、「二大政党制」は日本に根付かないのではとさえ思わせる結果だ。
▼日本国民は「弱体化した経済と高齢化社会」への対処を民主党に委ねたと解説したのはウォールストリート・ジャーナル。自民党長期政権による政・官・財の癒着は社会の活力を失わせるという弊害を生むようになった。選挙結果はそれへの国民の回答だ。
▼民主党は単独過半数を獲得したが、国民新党、社民党との3党連立は崩さず、9月16日に鳩山内閣が成立する。数にものを言わせた民主党の独走はひとまずなさそうだ。
▼焦っているのは米国だろう。民主党は日米地位協定の見直しや海上自衛隊によるインド洋での給油活動の停止を訴えており、鳩山代表が自公政権の対米姿勢を「従属的」と批判し、「対等な日米関係」を主張していることの意味を図りかねている。米国はゲーツ国防長官と次期防衛相との会談を10月中旬に東京で開く方向で調整を始めた。
▼なにせ始めての政権運営である。多少ぎくしゃくもするだろうが、新生日本の誕生としてまずはじっくりと見守りたい。
▼日本は1955年から、細川内閣の263日間を除き、一貫して自民党政権だった。民主主義国家としては世界でも珍しい「一党独裁国」だったわけがついに崩れた。共同通信社が行った全国緊急電話世論調査で、新首相となる民主党の鳩山由紀夫代表に「期待する」と答えた人は71・1%だった。
▼それにしても、予想されていたとはいえ民主党が308議席を獲得するとは。自民党は選挙前の300議席から119議席に落ち込む歴史的惨敗であり、「二大政党制」は日本に根付かないのではとさえ思わせる結果だ。
▼日本国民は「弱体化した経済と高齢化社会」への対処を民主党に委ねたと解説したのはウォールストリート・ジャーナル。自民党長期政権による政・官・財の癒着は社会の活力を失わせるという弊害を生むようになった。選挙結果はそれへの国民の回答だ。
▼民主党は単独過半数を獲得したが、国民新党、社民党との3党連立は崩さず、9月16日に鳩山内閣が成立する。数にものを言わせた民主党の独走はひとまずなさそうだ。
▼焦っているのは米国だろう。民主党は日米地位協定の見直しや海上自衛隊によるインド洋での給油活動の停止を訴えており、鳩山代表が自公政権の対米姿勢を「従属的」と批判し、「対等な日米関係」を主張していることの意味を図りかねている。米国はゲーツ国防長官と次期防衛相との会談を10月中旬に東京で開く方向で調整を始めた。
▼なにせ始めての政権運営である。多少ぎくしゃくもするだろうが、新生日本の誕生としてまずはじっくりと見守りたい。
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