Sunday, November 02, 2008

米国で暴動が起きる?

▼あまり表立って報道されていないようだが、10月1日より、州兵ではなく米陸軍の実戦部隊が米国内に展開されることとなった。名目はテロ対策だが、陸軍は市民が起こすかも知れない暴動の鎮圧訓練をするという。
▼米国史上初の黒人大統領が誕生するかも知れない大統領選を控え、全米各地で不穏な動きが広まっているのは事実だ。
▼ノースカロライナ州の大学のキャンパスに20日、頭を撃たれた黒い子グマの死骸が放置されていた。子グマにはオバマ氏のポスターが添えられた。オレゴン州の大学では、オバマ氏に似せた段ボール製の等身大人形が縛り首の状態で木にぶら下げられた。テネシー州では、銃不法所持などの疑いで逮捕された白人の若者二人が、オバマ氏の暗殺を計画していたことが27日、明らかになった。
▼一方、24日には、共和党のマケイン候補陣営の女性運動員(20)が、オバマ候補の支持者とみられる黒人男性に暴力をふるわれ、金を奪われたなどと虚偽の通報をする事件が起きた。
▼オバマ氏優位のまま大統領選を迎えるが、それだけにもしオバマ氏が破れれば黒人暴動の可能性も取沙汰される。オバマ氏が当選してもしなくても何かが起きる可能性があると、治安当局は警戒を強めているという。
▼これだけでない。大恐慌以来ともいわれる金融危機の問題だ。こちらの方がより深刻かも知れない。JPモルガン・チェース銀行の全米各地の支店や事業所には、白い粉入りを含む30通を超す脅迫状が送り付けられた。
▼ウォール街や大企業のエリートたちを救うために何故、庶民のなけなしの税金が使われなければならないのか、不満を募らせる者は少なくはないはずだ。
▼不況はすでに始まっている。貧困、失業、差別—。連邦政府への憎しみが渦巻き、武装したネオナチやミリシア(民兵)も多数存在する米国。多様な米国民をまとめ上げ希望の持てる社会にすることが次期大統領に求められている。(武)

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