Sunday, September 16, 2007

日本の二大政党制が始まった

▼ついに安倍首相が辞意を表明した。改造内閣スタート直後の首相の辞意表明に日本全国に激震が走った。海外メディアもいち早く速報した。
▼就任以来、「政治とカネ」を巡るスキャンダルや失言で閣僚の辞任が相次ぎ、年金問題もあって7月の参院選では与野党が逆転する歴史的敗北。内閣改造を行ったが、またすぐに閣僚が辞任した。普通ならとっくに辞めているところだが安倍首相はなかなか辞めようとしなかった。今回、辞意に至ったのは、どうやら十一月で切れるテロ対策特別措置法延長問題のようである。
▼首相はテロ特措法に基づく海上自衛隊のインド洋での給油活動を継続できなければ退陣する決意を示していた。一方、民主党の小沢代表は八月、シーファー駐日米大使に対し「直接的に国連安全保障理事会からオーソライズ(承認)されていない。活動には参加できない」と延長反対の考えを明確に示していた。
▼北朝鮮から、六カ国協議はどうせ米国の言うがままなのだから日本は出る必要はないと言われたことは記憶に新しい。米国はその北朝鮮の核問題で拉致問題を曖昧にしたまま北への「譲歩」を続けている。下院では「従軍慰安婦決議」が成立した。日本人の中には小沢代表の毅然とした発言に溜飲を下げた人もいたかも知れないが、小沢氏は別に「反米」を掲げたわけではなく、民主党の「国連中心主義」の原則を述べたに過ぎない。
▼あれほどの支持率低下でも辞めなかったのが、テロ特措法を巡り野党と対立したからといって辞めるとは、「責任放棄」(古賀誠・自民党元幹事長)と言われても仕方ない。これまでの「対米従属」ばかりが日本の外交ではなくなってきているのだ。
▼与党・自民党が圧倒的に強かった時代は終わった。日本で二大政党制が始まったことに、「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げた安倍首相自身がついていけなかったようだ。

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