Tuesday, September 12, 2006

イラク戦争が焦点の中間選挙

▼11月7日の投開票日の中間選挙まで2カ月を切った。上院(定数100)で改選を迎える33州と、全議席改選の下院(定数435)の各選挙区では相次いで予備選が行われ、終盤戦へ向けて選挙活動を本格化させている。
▼共和、民主両党の候補者を決める予備選挙で明らかになったのはイラク政策に対する態度が投票を大きく左右しているといことだ。これは共和、民主党を問わない。
▼去る8月8日に行われたコネティカット州民主党予備選では、イラク戦争を支持した大物ジョゼフ・リーバーマン上院議員(64)が、反戦派の新人で実業家のネッド・ラモント氏(52)に敗れ、大きな衝撃が走った。
▼この結果を受け、同州の共和党ベテラン、シェイズ下院議員は最近、明確に米軍撤退期限設定の必要性を主張。大統領に反旗を翻す戦術で生き残りをかけている。
▼12日のロードアイランド州共和党予備選ではチェイフィー上院議員が、イラク戦争に反対したため保守派の反発招き再選が危ぶまれたが、保守派の新人候補を辛勝とはいえ退けた。
▼13日のバージニア州の民主党予備選では、レーガン政権時代の海軍長官で、イラク戦争批判の急先鋒として共和党から民主党にくら替えして出馬したジム・ウェッブ氏が選出された。
▼12日のニューヨーク州の民主党予備選では、イラク戦争反対の運動家として知られるジョナサン・タシニ氏にヒラリー・クリントン上院議員が圧勝したが、圧倒的な知名度と資金力に加え、自身も「戦争を始める前に国連の支持こそ必要だと主張し国際社会の協調を優先させていた(NYタイムズ紙)」わけである。
▼イラク政策が最大の争点となる中、リード上院院内総務に「この5年間で米国はより安全でなくなった」まで言われた共和党・ブッシュ政権。民主党は下院で15議席を上積みすれば、上院では六議席を上積みすれば多数派となる。「反現職」「反与党」を追い風に12年ぶりに奪回するか注目される。

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