▼日本人はいつからこんなに嘘つきになってしまったのだろう。「偽装」が止まらない。牛肉、シジミ、地鶏、タケノコ、そうめん、ファストフード、和菓子などなど。産地偽装や消費期限改ざんなど食品の不正発覚が止まるところを知らない。
▼特に赤福(三重)や船場吉兆の菓子店(福岡)などの製造日偽装や賞味期限改ざんは、伝統と信頼を誇る老舗や高級店だっただけに与えたショックは大きい。「もったいない」という話ではない。船場吉兆はもちろん、秋田の比内鶏(ひないどり)の偽装は、食文化への裏切り行為である。
▼なぜこれほどまでに偽装が立て続けに発覚しているのかといえば、それは内部告発なのだという。今年一月の不二家の期限切れ原料使用の報道後、さらに六月のミートホープ(北海道)の牛肉偽装発覚後、内部告発が急増したという。八月の石屋製菓(北海道)の「白い恋人」の賞味期限改ざんも保健所への内部告発がきっかけだ。
▼だが、赤福は昨年から内部告発があったにもかかわらず、三重県の二度の立ち入り検査でも不正を確認できなかった。老舗や大手食品会社と監督する行政側とのなれ合いを疑われても仕方ないだろう。
▼偽装は食品衛生法違反や不正競争防止法違反(虚偽表示)という立派な犯罪である。社長の逮捕や営業停止に追い込まれた会社も出ており、結局は自らの首を締めるだけだ。
▼昨年はマンション耐震強度偽装が世間を騒がせたが、今年は食品の偽装だ。日本経済の「失われた十五年」という停滞の中、リストラや格差拡大だけでなく、利益第一主義によるモラル崩壊が起きていたわけである。
Thursday, November 15, 2007
Friday, November 02, 2007
拉致問題と日米関係
▼10月26日付のワシントンポスト紙は、テロ支援国指定解除を米政府が北朝鮮側に約束していたとしたら、「太平洋において最も親密な同盟国(日本)を裏切ることになる」との公電をシーファー駐日大使がブッシュ大統領に送ったと報じた。
▼第一期ブッシュ政権で朝鮮半島平和担当特使を務めたジャック・プリチャード氏は、すでに8月のニューヨークのコリア協会での講演で、今年一月の米朝ベルリン会談でテロ支援国家指定解除が秘密裏に合意されたと明かしていた。
▼2003年に米国は北朝鮮をテロ支援国家指定の理由に拉致問題を加えたが、これは当時の小泉首相とブッシュ大統領の「特別な関係」があったからという。
▼だが昨年10月の北朝鮮の核実験後、ブッシュ政権が米朝対話重視に転換。核開発放棄と引き換えの指定解除が再び米政府の切り札となった。
▼障害になってきたのが日本の拉致問題である。2月下旬にチェイニー米副大統領が来日し、安倍首相(当時)との会談で「日本人拉致問題の『解決』とは何か」と拉致問題の「定義」をただしたが、明確な回答はなく、その後も拉致問題は何の進展もなかった。
▼日本の国際政治誌「サピオ」10月10日号は、「安倍首相(当時)は9月9日、シドニーで、ブッシュ大統領から「日本の北朝鮮政策はあまりにも国際常識を欠く。いつまで拉致問題で足踏みしているのか。我が国は北との国交正常化をためらわない。それでよろしいか」と迫られた安倍首相(当時)は「(インド洋の海自による)給油支援は必ず継続する。そのかわり北朝鮮政策の転換はもう少し待ってほしいと懇願した」という。給油支援に職責を賭けると述べた理由はこれだったわけだが、いずれにせよ米国からは突っぱねられ、辞任を決意する。
▼拉致問題への毅然とした態度で登場した安倍政権は拉致問題で足下をすくわれた。福田政権は拉致問題の「進展」を探り始めた。(武)
▼第一期ブッシュ政権で朝鮮半島平和担当特使を務めたジャック・プリチャード氏は、すでに8月のニューヨークのコリア協会での講演で、今年一月の米朝ベルリン会談でテロ支援国家指定解除が秘密裏に合意されたと明かしていた。
▼2003年に米国は北朝鮮をテロ支援国家指定の理由に拉致問題を加えたが、これは当時の小泉首相とブッシュ大統領の「特別な関係」があったからという。
▼だが昨年10月の北朝鮮の核実験後、ブッシュ政権が米朝対話重視に転換。核開発放棄と引き換えの指定解除が再び米政府の切り札となった。
▼障害になってきたのが日本の拉致問題である。2月下旬にチェイニー米副大統領が来日し、安倍首相(当時)との会談で「日本人拉致問題の『解決』とは何か」と拉致問題の「定義」をただしたが、明確な回答はなく、その後も拉致問題は何の進展もなかった。
▼日本の国際政治誌「サピオ」10月10日号は、「安倍首相(当時)は9月9日、シドニーで、ブッシュ大統領から「日本の北朝鮮政策はあまりにも国際常識を欠く。いつまで拉致問題で足踏みしているのか。我が国は北との国交正常化をためらわない。それでよろしいか」と迫られた安倍首相(当時)は「(インド洋の海自による)給油支援は必ず継続する。そのかわり北朝鮮政策の転換はもう少し待ってほしいと懇願した」という。給油支援に職責を賭けると述べた理由はこれだったわけだが、いずれにせよ米国からは突っぱねられ、辞任を決意する。
▼拉致問題への毅然とした態度で登場した安倍政権は拉致問題で足下をすくわれた。福田政権は拉致問題の「進展」を探り始めた。(武)
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